オバマ元米大統領の訪問に合わせ、平和記念公園の警備に当たる警察官や市職員たち。沿道に詰めかけた市民の「目隠し」のように大型バスが並んだ(2016年5月27日、広島市中区)

 来年に広島市である先進7カ国首脳会議(G7サミット)の日程が5月19~21日に決まったのを受け、県内のホテル業界や広島県警が準備を本格化させる。各宿泊施設は、サミット関係者の受け入れに向けて対策チームを設置。要人警護やテロ対策を担う県警は、国内で前回開催された2016年の伊勢志摩サミット(三重県)を参考に、過去最大規模の警備態勢で臨む方針だ。

 県内の宿泊施設は受け入れ準備に動いている。伊勢志摩サミットでは1日最大約2万人が宿泊。同じ規模であれば、県内の約1万2千室はフル稼働が必要になる。広島サミットの期間は修学旅行シーズンとも重なり、施設側には戸惑いも広がる。

 各国首脳や代表団の宿舎候補の一つ、ANAクラウンプラザホテル広島(中区)は各部門で担当者を決め、今月中旬に対策チームを設けた。リーガロイヤルホテル広島(同)はプロジェクトチームの設置を決定。国や県から正式な要請があれば本格的な受け入れ態勢の検討を始める。サミットの主会場候補のグランドプリンスホテル広島(南区)も「最大限協力する」と意気込む。

 宿泊施設の予約を巡って混乱も起きている。県と市は24日、来年4月29日~5月22日の宿泊予約の受け付け停止を求める依頼文を