「低山トラベル」で観光を 和歌山・田辺市がツアー

奇岩が並ぶ「ひき岩群」=和歌山県田辺市(市提供)
奇岩が並ぶ「ひき岩群」=和歌山県田辺市(市提供)

和歌山県田辺市内の低い山々を登って楽しんでもらおうと、田辺市が「低山トラベル」というキーワードで新たな観光コンテンツづくりに取り組んでいる。今秋にはオンライン講座や現地ツアーも計画。市内は比較的低い山々に囲まれているものの登山愛好家の知名度はあまり高くなく、PRによって新たな魅力が加わるとしている。

滝が連なる百間山渓谷=和歌山県田辺市(市提供)
滝が連なる百間山渓谷=和歌山県田辺市(市提供)

「低山トラベル」とは、まち中から日帰りで行ける低い山々を登って楽しむことを指す。「低山ハイキング」とも呼ばれて親しまれている。本格的な登山ではなく、気軽に行けるのが魅力で、コロナ禍によって「密」を避けるようになったことから人気を集めている。

平成の大合併によって近畿で最も広い市町村となった市内には多くの山々がある。市街地から約5キロの距離で奇岩が並ぶ「ひき岩群」(最大標高127メートル)や、奇岩や大小の滝が連なる百間山(ひゃっけんざん)渓谷(標高999メートル)、龍神山(同496メートル)、高尾山(同606メートル)などに行ける。もう少し大きい山としては龍神岳(同1382メートル)や護摩壇(ごまだん)山(ざん)(同1372メートル)がある。

市はこうした山々を巡る現地ツアーを9月後半~12月後半に計画。山々についての歴史や文化を学ぶオンライン講座2回とツアー1回を1セットとして計3セットの実施を予定している。1セットあたりの参加人数は十数人。

また市内の田辺、龍神、中辺路町、大塔、熊野本宮の5観光協会と連携して情報発信をしていくという。

市は令和5年度も同様の現地ツアーを企画し、6年度も何らかの取り組みを続ける。7年度以降は、市内5観光協会が構成団体となっている田辺市熊野ツーリズムビューロー(田辺市)などで旅行商品として扱ってもらう。

市観光振興課の担当者は「田辺には高くはないが魅力ある山々はたくさんあり、この取り組みで新たな観光資源の開発ができれば」と話している。(張英壽)

会員限定記事会員サービス詳細