2022年度黒字化&復配 優待制度は堅持 JAL株主総会

2022年度黒字化&復配 優待制度は堅持 JAL株主総会

ニュース画像 1枚目:JAL 第73期 株主総会
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JAL 第73期 株主総会

日本航空(JAL)は2022年6月21日(火)、東京都内で株主総会を開催しました。総会は10時開始、11時50分すぎの約1時間50分で終了し、提案された定款の一部変更、取締役選任、監査役選任の3議案は、原案通り可決されました。赤坂社長は冒頭、株主に対して「2期無配をお詫び申し上げます」と陳謝し、コロナ禍から財務体質の再構築を優先する判断について理解を求めました。株主からの質問は事前の3問に加え、会場で12件、修正動議の提案が1件ありました。このうち、オンラインで寄せられた株主優待制度への質問は、引き続き堅持する方針が示されています。

JALが手がける事業のうち、コロナ禍の影響を大きく受けた航空事業は、ワクチン接種率の上昇で重症化リスクが抑えられることを背景に旅客需要の回復が始まっています。赤坂社長によると、国内線は夏頃に90%、国際線は2022年度後半に60%程度と、それぞれコロナ前との比較で回復し、現在の予約状況の進捗も概ね想定通りと説明しています。これにより、2022年度の黒字化、EBIT(税引前利益)800億円の達成で、経営環境の回復と復配を目指します。さらに航空事業に強く依存する環境から、非航空事業の収益拡大、割合を高める構造改革を進めている現状が説明されました。コロナ前の2019年度は航空70%、非航空30%の割合でしたが、2025年度に航空(JALフルサービス・貨物/郵便)55%、LCC10%、マイル関連35%の割合に変え、EBIT1,850億円超とコロナ前を上回る目標を掲げて取り組みが進められています。

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JAL 株主総会

オンラインでの質問では、株主優待制度の廃止・縮小など他社の動向を受けたJALの方針を問うものがありました。これについて、「JALファンになってもらう狙いがある」と優待割引は今後も継続する方針が示されました。ただし、株主優待をマイルで付与する案は、配当とみなされる可能性があり、実施しない旨を回答しています。

会場からは、「ANAアプリ」を引き合いに、JALのアプリの評価が低く、今後の主力となる若い世代が航空会社の選択に影響するとの質問も寄せられました。システム関連では運賃系システムの大規模改修を終え、現在はアプリを含め国際線のモバイル搭乗券の活用、ウェブチェックイン活用、多言語化、国内線では空港到着前のアップグレード・スタンバイの申請、さらにアプリを通じたチャット形式のメッセージ機能などを2022年度中に整備する方針です。赤坂社長はアプリについて重要なサービス・ツールとの認識で、現状は期待に沿えていないと陳謝しつつも、着々と改善を進め、今後へ期待して欲しいと述べています。

議案採決は、(1)会社法の一部改正による株主総会資料の電子提供に対応する定款変更、(2)取締役9名の選任、(3)監査役1名の選任を原案通り可決しました。取締役9名の修正動議は原案先議により、否決されました。

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