米国のスタートアップ「トリップスカウト(Tripscout)」への注目が高まっている。

旅行業界メディアのPhocusWireが6月2日に紹介する記事を公開したほか、同じく2日には消費者向けメディアで月間訪問数が600万超のUPROXXも記事を掲載し、ホテル宿泊を割安価格で手に入れる方法として紹介している。

トリップスカウトは、ネット上で出回るベストアベイラブルレートに対して最大75%割引のプライベートレートを提供するとしており、利用を希望するユーザーが同社が運営する「@hotel」などのInstagramアカウントにダイレクトメッセージで「hotel」と送信するとチャットボットが予約を受け付ける仕組み。

ポイントは、通常のOTAのように料金を「公示」することなくダイレクトメッセージ内でそのユーザーに限定して情報を提供することで、レートパリティに縛られない料金を提示できること。リンクは共有できず、検索エンジンにインデックスされることもない。

また、運営する100以上のアカウントで合計のフォロワー数が3000万人を超え、毎月200万人以上増えていることも強力な武器で、OTAが広告に投じる費用が不要となり、その分をユーザーに還元。また、これらの基盤があるために何千ものホテルやサプライヤーと契約できているといい、その中にはHotelbedsやHotelPlannerなどの名前も出ている。

ちなみに予約機能は現在20アカウントで稼働しており、今後2ヶ月間で全アカウントに拡大していく。

なお、トリップスカウトは約1400万ドルの資金調達も実施しており、来年にはフォロワー数を1億人に増やす目標を掲げ、旅行コンテンツのクリエーターやインフルエンサーとの提携に投資することで投稿内容を充実していく計画だ。

Skiftによると、同社CEOは「TripadvisorがGoogleの黎明期にSEOをマスターしたように、我々はInstagramでそれをしている」と説明。またSkiftでは、同様にホテルの空室とInstagramユーザーを結びつけることにビジネスチャンスを見出しているCuracityについても紹介している。