撤退、減便続きの北陸3空港 国内LCCはなぜ一度も就航しないのか

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朝倉義統
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 沖縄も札幌もどこからも片道390円――ある格安航空会社(LCC)が5月に出した10周年記念の運賃だ。LCCは日本航空(JAL)や全日空(ANA)よりかなり安く、複数社あると価格競争をする。北陸には石川、富山に3空港があるが、国内線のLCCの参入は一度もない。安い航空会社の就航は難しいのだろうか。(朝倉義統)

新潟には飛ぶのに…

 LCCは、機内の座席を狭くすることで乗客を増やし、空港での待機時間を短くするなどして運賃を安くする。一方で、機内サービスや手荷物の預け入れ、座席指定といった有料オプションを設けることで収益を上げる。ターミナルが不便な場所にあるなどデメリットも多いが、大手航空会社より低運賃のため、人気を集める。

 定期便のある北陸の空港は、石川県の小松(小松市)と能登(輪島市)、富山(富山市)があるが、国内線で就航しているのはANA系(3空港)とJAL系(小松のみ)の便だ。一方、国際線では、富山と小松でLCCが参入していたが、コロナなどで運休・撤退し、再開のめどは立っていない。

 本州の日本海側で、LCCの国内線が就航するのは新潟県の新潟空港だけ。関西空港との1往復を運航するピーチ・アビエーションは「新潟は周辺も含め観光、グルメ、帰省需要もあり、ポテンシャルが高い」と話す。

「遅くとも25年の大阪・関西万博までに」富山、能登空港へ。そんな就航の動きを見せる航空会社もあります。ただし、LCCではありません。

 日本海側では、ジェットスター・ジャパンが2019年から山形県の庄内空港と成田空港を1往復していたが、コロナ禍による航空需要の激減を受け、21年3月に撤退した。

 観光や食、企業は北陸の3空…

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