HIS、一時10%高 GoToトラベル再開に期待
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14日の東京株式市場で旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)株が一時前週末比182円(10%)高の2042円と、3週間ぶりの高値を付けた。12日、岸田文雄首相は観光需要喚起策「Go To トラベル」について「適切な時期」の再開に向け準備を進める考えを示した。旅行や出張などの需要が回復するとの期待から、短期筋を中心に買いが集まった。
終値は140円(8%)高の2000円だった。この日はエアトリなどの旅行関連株のほかに、JR東日本や日本航空(JAL)など鉄道や空運株の上昇も目立った。
政府は新型コロナウイルスの水際対策をめぐり14日、5000人だった1日の入国者総数を7000人に引き上げた。「欧米の新規感染者数もようやく鈍化傾向になり、投資家は訪日観光客(インバウンド)の回復も徐々に織り込み始めている」(楽天証券の窪田真之チーフ・ストラテジスト)との指摘が聞かれた。
ただ先行きは不透明だ。新型コロナ禍でHISは2期連続で最終赤字を計上。ウクライナ情勢も海外旅行の需要回復を妨げかねない。黒字化の見通しがはっきりするまで株価の上値は限られるとの見方も多い。