test

旅館・ホテル2021年倒産件数41%減の70件 有利子負債月商倍率は30倍に(帝国データバンク調べ)

2022年2月17日
編集部:増田 剛

2022年2月17日(木) 配信

 帝国データバンクはこのほど、2021年の旅館・ホテル経営業者の動向調査をまとめた。これによると、21年(1~12月)の旅館・ホテル業の倒産件数は前年比40・7%減の70件(前年は118件)と、2000年以来最大の減少幅を記録した。金融機関によるコロナ融資や、雇用調整助成金などで持ちこたえている状況だ。

 20年後半の「Go Toトラベル」による一時的な需要回復も倒産減少に寄与したと分析している。

 一方で、休廃業・解散の件数は、同32・8%増の174件と過去5年で最多となった。「新型コロナウイルス感染の収束が見通せないなかで、事業継続を断念する企業が多くみられる」(帝国データバンク)。

収入高43%減少に

 20年度(20年4月~21年3月)の旅館・ホテル業者の市場動向では、収入高は約2兆9000億円と、18年度(約5兆1000億円)との比較で、43・1%減と大幅に減少している。インバウンド需要の喪失に加え、国内においても緊急事態宣言などの外出自粛が大打撃となった。

 また、損益動向では、営業段階で赤字となる企業が80%を超え、20年度は最終で6028億円の赤字に。帝国データバンクは「雇用調整助成金などの支援効果も薄く、業界の苦戦が鮮明となった」とみている。

業績改善は2割

 旅館・ホテル運営業者の業況(収入高)動向をみると、21年12月時点で前年同期より売上高が「増加」と答えた企業は26・8%と、同年3月(5・3%)に比べて増加傾向にある。一方、「減少」は23・6%と同年3月(76・1%)から大幅に減少しているが、「横ばい」は49・7%と約半数を占めている。

有利子負債月商倍率30倍

 旅館・ホテル業者の財務内容において、月商に対し有利子負債(借入金など)が何倍にあたるのかを示す有利子負債月商倍率は、コロナ前の19年度は全体平均で12・5倍。20年度はコロナ融資など借入金増加により21・7倍に増加した。21年12月時点では30・1倍と30倍を超えた。

 業態別にみると、旅館は30・5倍と、ビジネスホテル(25・4倍)、シティホテル(21・0倍)、リゾートホテル(19・8倍)などと比較して過剰債務が顕著となった。また、規模別にみると年商1億円未満企業の有利子負債月商倍率は55・6倍と、年商規模が小さい企業ほど過剰債務感を抱えている状況が明らかになった。

 帝国データバンクは「旅館・ホテル業界は経済を支える観光資源と言われるが、休廃業・解散件数が増加している状況を鑑みれば、今後、過剰債務問題に苦しむ企業の淘汰が進む可能性が考えられる」と危惧している。

いいね・フォローして最新記事をチェック

コメント受付中
この記事への意見や感想をどうぞ!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。