KNT-CTHD、最終赤字58億円 21年4~12月
近畿日本ツーリストなどを傘下に持つKNT-CTホールディングスが9日発表した2021年4~12月期の連結決算は、最終損益が58億円の赤字(前年同期は216億円の赤字)だった。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除された10月以降、旅行需要が回復傾向にあり、四半期ベースでは営業黒字に転換。ただ22年1月以降は「オミクロン型」の影響で再び需要が低迷しており、先行きは不透明さが続く。
売上高は前年同期比71%増の1049億円、営業損益は77億円の赤字(前年同期は261億円の赤字)だった。10~12月の四半期ベースでは7億円の黒字となり、19年10~12月期以来、8四半期ぶりに黒字転換した。21年9月までコロナ前の19年同月比2割ほどに落ち込んでいた国内旅行取扱高は、11月時点では5割強まで回復していた。全国の自治体でワクチン接種の運営業務を受託したことも収益を押し上げた。
ただ、22年1月以降オミクロン型の拡大により旅行需要は低迷しているとして、22年3月期通期の連結最終損益は130億円の赤字(前期は284億円の赤字)との従来見通しを据え置いた。政府の観光需要喚起策「Go To トラベル」事業について、同社は当初1月から再開を見込んでいたが、延期されている。