旅行需要喚起へ「九州割」九州7県など全国に先駆け

観光支援事業「九州割」の実施を発表した(右から)福岡県の服部誠太郎知事、大分県の広瀬勝貞知事、九州観光推進機構の唐池恒二会長=22日、福岡市中央区
観光支援事業「九州割」の実施を発表した(右から)福岡県の服部誠太郎知事、大分県の広瀬勝貞知事、九州観光推進機構の唐池恒二会長=22日、福岡市中央区

大分県の広瀬勝貞、福岡県の服部誠太郎両知事と九州観光推進機構の唐池恒二会長は22日、福岡市内で記者会見し、年明け以降に、九州7県の住民による九州域内の旅行費用を補助する観光支援事業「九州割」を実施すると発表した。官民一体となって取り組み、新型コロナウイルス感染拡大によって落ち込んだ九州観光復活の起爆剤とする。

国は旅行需要の喚起策として同一都道府県内の旅行費用を補助する「県民割」を実施。11月中旬からは対象範囲を隣県に拡大し、年明け以降、地域ブロックに広げる方針を示している。九州7県と同機構は国が対象を拡大後、全国に先駆けて九州割として対象をブロックに拡大したい考えだ。

現在の隣県も対象に加えた県民割では各県とも、1人1泊当たり宿泊費の50%(上限5千円)を割引するなどしている。九州割も同程度の支援となる見通しだ。

新型コロナによって九州観光も大打撃を受けた。九州内の令和3年1~9月の観光消費額は、新型コロナの感染が広がる前の元年同期比31%、延べ宿泊者数は同46%と依然として厳しい状況が続いている。

九州域内の宿泊者数は元年は約5千万人泊で、そのうち半分の約2500万人泊が九州在住者だった。他地域に比べて、域内観光の占める割合が大きいのが特徴で、九州割の効果に期待がかかる。

広瀬氏は「九州割を有効に使って旅行を楽しんでもらいたい」。服部氏も「いち早く観光王国である九州の復興を成し遂げたい」と述べた。唐池氏は「国の方針が決まればロケットスタートが切れるよう準備している」と語った。(小沢慶太)

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