海外旅行事業者の経営支援を要望 トラベル懇話会、観光庁に窮状訴え

2021.10.25 00:00

 旅行業経営者でつくるトラベル懇話会は10月18日、海外旅行を主な生業とする事業者の窮状を踏まえ、海外往来早期再開と経営支援に関する要望書を観光庁に提出した。雇用調整助成金の延長、飲食店等への協力金と同等の支援金制度の創設、日本入国時の自主隔離期間の撤廃などを柱とする全13項目。会員への事前アンケート調査からは、コロナ禍の影響で通常営業ができず、助成金が途絶えれば廃業を検討する企業も一定数あるなど、厳しい状況があらためて浮き彫りになった。

 要望では、雇用調整助成金の特例措置を22月3月末まで当面延長し、以降もコロナ禍で大きな影響を受けている企業の業績が回復するまで継続を求めた。会員の84.7%が利用しており、システム会社などを除けば約94%に達する。一方、出向による雇用維持を支援する産業雇用安定助成金の利用は13.3%どまり。旅行再開に備え、自社で人材を確保しておきたいという意思が強く働いているという。政府はGoToトラベル事業の再開を見据えるが、海外旅行事業者の場合、観光目的の海外往来が再開されない限り業績回復は困難で、「雇用調整助成金が途切れれば、生命線を絶たれることになりかねない」と訴えた。

 2月に締め切られた家賃支援給付金の再給付、固定費への支援金の創設も盛り込んだ。飲食店協力金と同等の支援制度については、海外往来制限による影響が大きい海外旅行と訪日旅行に関連する法人・個人を対象に求めた。

 ワクチン接種証明による自主隔離期間は10月から10日間に短縮されたものの、「レジャー渡航は非現実的」との声が上がる。早期撤廃もしくは少なくとも3日以内の緩和と同時に、対象国にも同等の措置を要望した。

【あわせて読みたい】トラベル懇話会、リアルの活動強化へ トラベル懇話会、観光目的の海外・訪日早期再開を要望 トラベル懇話会が特別決議 「検査拡充と陰性証明で経済活動維持を」