ボーイング、今後20年の航空機需要予測を引き上げ

ボーイング、今後20年の航空機需要予測を引き上げ
米航空機大手ボーイングは、今後20年間の商用航空機需要が4万3610機(7兆2000億ドル相当)になるとの見通しを示し、昨年予測から引き上げた。昨年6月、シアトルの試験飛行を撮影(2021年 ロイター/Karen Ducey/File Photo)
[14日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングは14日、今後20年間の商用航空機需要が4万3610機(7兆2000億ドル相当)になるとの見通しを示し、昨年予測の4万3110機から500機引き上げた。
米国などでの国内航空利用の回復で、新型コロナウイルス流行によるロックダウン(都市封鎖)の中でより暗い見通しを示していた昨年から改善された。
見通しの改善は、ボーイングが旅行需要や軍事サービスの拡大に備える動きを示す。ただ、産業界の遅れや、小型機737MAXの問題が長期化しているのが阻害要因となる。
新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による航空会社への影響がより深刻な10年間の見通しは1万9330機とし、昨年予測の1万8350機から引き上げた。これは新型コロナ禍前の2019年に発表した予測を6%下回る。
今後20年間の需要予測のうち、主力の単通路型機は昨年予測の3万2270機から3万2660機に、2通路型機は7480機から7670機へそれぞれ上方修正した。一方、貨物機は930機から890機へ下方修正した。
ボーイングのマーク・アレン最高戦略責任者は報道陣に「私たちが自信を持つ最も大きな理由の一つは、過去1年間に国内旅行の迅速な回復が見られたことだ」と述べた。
ボーイングは22年に国内線利用者数が新型コロナ禍前の水準に回復し、23年に域内路線も、24年に国際線もそれぞれ新型コロナ禍前の水準に戻ると予測している。
しかし、複数のアナリストは新型コロナワクチン接種率が着実に上昇しているものの、変異株の感染が予想外に拡大し、渡航制限が続いていることに懸念を示している。
ボーイングは、貨物機や戦闘機を含めた航空機・サービス市場で今後10年間に9兆ドルの需要を見込み、昨年予想の8兆7000億ドルから引き上げた。防衛・宇宙分野は横ばいの2兆6000億ドルを予想している。

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