JALとカンタス共同事業、不認可を正式決定 豪当局
【シドニー=松本史】オーストラリアの公正取引委員会に当たる豪競争・消費者委員会(ACCC)は13日、日本航空(JAL)と豪カンタス航空が2020年に申請した、ダイヤや料金を調整して運航する共同事業について、認めないとする正式決定を出した。すでに5月に不認可の方針を示していた。
ACCCのロッド・シムズ委員長は声明で、航空会社は新型コロナウイルスを受けた移動制限などで大きな打撃を受けたと述べた。そのうえで「航空各社の競争を維持することが、航空および旅行業界の長期的な回復にとって重要になる」とした。
ACCCによると、新型コロナが世界的に拡大する前に、日本と豪州を結ぶ路線でカンタスとJALのシェアは合計で85%を占めた。このため「共同事業を認めればカンタスとJALの競争を阻害するだけでなく、他社が日豪間の路線を運航することも難しくなる」と述べた。
カンタスはACCCの決定に対して「失望した」との声明を出した。JALは「コロナ禍からのネットワーク回復をスムーズに実施することが公共の利益にかなうと考え、(5月に示された)仮裁定を覆すためにカンタスと協力して取り組んで来たので非常に残念」とした。