香港航空、追加リストラ 1000人削減へ 貨物便に集中
【香港=木原雄士】中国の複合企業、海航集団(HNAグループ)系の香港航空は追加リストラに踏み切る。香港メディアは従業員の半分にあたる約1000人を削減する方針だと報じた。各国・地域で新型コロナウイルスによる渡航制限が続き、旅客需要の早期回復は難しいと判断した。
香港航空は8日に出した声明で「スリムで効率的な組織にするためのリストラが必要だ。近日中に従業員に詳細を知らせる」と説明した。当面は貨物便に集中し、主力機である欧州エアバス「A320」の運航を停止する案も出ている。
香港航空は新型コロナの流行前から経営不振が続き、2020年2月に約400人、20年12月には250人の削減を発表した。海航集団も経営再建中のため、支援の余力は乏しいのが実態だ。
一方、香港最大手のキャセイパシフィック航空は8日、香港政府が78億香港ドル(約1100億円)のつなぎ融資枠の期限を1年延長したと発表した。つなぎ融資は香港政府が主導した総額390億香港ドルの支援策の一つ。キャセイは社債発行などで流動性を確保し、融資枠はまだ使っていない。
キャセイの鄧健栄・最高経営責任者(CEO)は「当社は引き続き資本市場での資金調達が可能で、これは投資家の信頼を反映している。旅行需要は徐々に回復するため、長い目で見ると事業の先行きに自信を持っている」と強調した。