3月の宿泊、福井で新幹線効果で大幅上昇 石川、富山は高水準続く

長屋護
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 北陸3県の3月の宿泊施設の稼働状況について、富山国際大の大谷友男准教授の研究室などが宿泊予約サイトのデータを分析し、3日に発表した。北陸新幹線が敦賀まで延伸した福井県で大幅に上昇し、石川、富山両県では1月からの高水準が続いているという。

 同研究室などは、同サイトのデータをもとに「宿泊稼働指数」を算出した。稼働状況が良いと100に近づく。観光庁が公表している客室稼働率の結果ともほぼ連動しているという。

 北陸各県の3月の指数(平日)は、福井で71・9(前月比25・3ポイント増)、石川で79・6(同6・7ポイント増)、富山で69・4(同6・3ポイント増)といずれも高く、上昇した。

 大谷准教授らによると、福井では北陸新幹線延伸に加え、同時に始まった、能登半島地震を受けた旅行促進策「北陸応援割」の効果も表れたとみられる。ただ応援割は枠に限りがあるため、利用による押し上げは限定的と考えられるという。

 石川、富山では能登半島に比較的近い市で、復旧関係者や2次避難者の滞在が続いている。高止まりの背景には、そうした需要の大きさがあると考えられるという。

 福井県内の自治体別では坂井市が93・2と最も高く、あわら市(87・0)、福井市(81・1)と続いた。石川県はコロナ禍前の2019年3月と比べて、31・9ポイント高かった。富山県では高岡市が94・0。3カ月連続で90以上となり、19年3月比で50・2ポイント高かった。

 大谷准教授は「復興需要は若干落ち着き、新幹線開業や応援割の効果が押し上げた」と話した。(長屋護)

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