【3⽉22⽇ Peopleʼs Daily】2月20日から25日まで、チャンギ(Changi)・エキシビション・センターで開催されたシンガポール・エアショー(Singapore Airshow)2024では、中国企業の中国商用飛機(COMAC)が開発し製造する大型機のC919とリージョナル機のARJ21が注目を集めた。

 シンガポール・エアショーは世界三大国際航空ショーの一つで、今回は50以上の国と地域から1000社以上の航空関連企業が参加した。また、中国国家パビリオンが設けられ、中国企業40社が主要製品を展示した。

 中国のチベット航空(Tibet Airlines)とCOMACはエアショーの開幕当日、40機のC919と10機のARJ21の売買契約を締結した。いずれも高原仕様機だった。高原仕様のC919は、C919シリーズの重要なタイプの一つという。

 チリの業界関係者の一人は、「C919とARJ21の高原仕様機を知りたいと思って、わざわざやって来ました」と語った。チリには平均標高が高いので高原仕様機に対する需要が大きい状況があり、「中国産機は移動により多くの選択肢を提供している」と評価できるという。

 中国の航空機は海外市場に着実に浸透しつつある。ARJ21は2022年に初の海外顧客であるインドネシアのトランスヌサ航空(TransNusa)に引き渡された。同社が保有する2機のARJ21機は、ジャカルタを拠点に4路線に就航し、これまでに乗客10万人以上を輸送した。

 近年には、多くの国と航空会社が気候変動の問題などもあり、航空業界が持続可能な方向に進むよう努力するようになった。今回のエアショーでは、中国企業が展示した多くのグリーン技術が注目され、好感された。

 COMACによると、C919は先進的な空力設計や推進システム、素材を採用している。そのため、炭素排出量がより少なく、燃費が良い。これらの特徴は世界の航空業界をより環境に優しい方向へと推し進め、気候変動への対応に貢献するものだ。

 航空関連の個別の分野でも、中国企業による環境問題への取り組みが注目されている。北京飛機維修工程が開発した航空機の吹き付け塗装技術は、作業の過程で生じる残留物の効果的な処理で、環境汚染を軽減できる。四川海特高新技術が開発した旅客機を貨物機にして利用する方式は、航空機の利用率を大幅に高めることができる。

 大型旅客機の開発には大量の精密部品が必要なこともあり、多くの国や企業の協力が欠かせない。米国技術系大手のハネウェル(Honeywell)傘下のハネウェル・エアロスペースの徐軍(Xu Jun)アジア太平洋区総裁は、「ハネウェルは中国航空業界の発展の証言者であり同行者であり、参加者、貢献者でもあります。中国航空業界が成し遂げた成果は世界の注目を集めています。われわれは未来に自信を持っています」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News