ボーイング決算 5年連続最終赤字 事故受け 業績見通し示さず

アメリカの航空機大手、ボーイングは、2023年1年間の決算を発表し5年連続の最終赤字となりました。また、737MAX9の窓部分のパネルが飛行中に吹き飛んだ事故を受けてことしの業績の見通しは示しませんでした。

ボーイングが31日、発表した2023年1年間の決算によりますと売り上げは前の年より17%増えて777億9400万ドル、最終的な損益はコストと研究開発費が増加したことなどから22億4200万ドルの赤字、日本円でおよそ3300億円の赤字で5年連続の最終赤字となりました。

また、年が明けた1月5日にアメリカ西部オレゴン州の上空でアラスカ航空が運航する旅客機737MAX9の窓部分のパネルが吹き飛んだ事故で、同型機の運航が一時、停止し、欠航が相次いだほか、ボーイングは航空当局から737MAXの生産拡大を認めないと通知され、今後の業績への影響が懸念されています。

事故を受けて会社はことしの業績見通しを示さず、決算説明会でカルフーンCEOは、「ことしの業績見通しは出さない。いまはその時期ではない。われわれが問題を引き起こした」と述べて事故の責任を認めたうえで、航空機の品質を高める安全対策に力を注ぐ考えを示しました。

厳しい経営環境が続く中、事故の再発を防ぐための安全対策を進めて信頼を回復し、経営を立て直すことができるかが課題となっています。

飛行中にパネル吹き飛ぶ事故 同型機運航の航空会社に悪影響

アラスカ航空が運航する旅客機ボーイング737MAX9の窓部分のパネルが飛行中に吹き飛んだ事故の影響は同型機を運航するアメリカの航空会社の業績に及んでいます。

アラスカ航空は、航空当局の指示を受けて同型機の運航を停止し、その後、検査を済ませた機体の運航を1月26日から再開しました。

会社はこの影響で先月に3000便を超える欠航が見込まれ、年間で1億5000万ドル、日本円でおよそ220億円の減益の要因となる見通しを明らかにしています。

また、ユナイテッド航空も航空当局の指示を受けて同型機の運航を停止し、その後、検査を済ませた機体の運航を先月27日から再開していますが、この影響で欠航が相次いだことがことし3月までの3か月間の業績に悪影響を及ぼすとの見通しを示しています。