羽田空港事故 安全対策の検討委員会が初会合 国交省

羽田空港で起きた航空機どうしの衝突事故を受け、安全対策を話し合う専門家による検討委員会の初会合が開かれました。会合では、管制官と航空機のやりとりにデジタル技術を活用することの是非についても意見が交わされ、今後、具体策の検討を進めるということです。

国土交通省で19日に開かれた検討委員会の初会合には、元パイロットのほか、ヒューマンエラーや管制システムなどに詳しい専門家9人が出席しました。

検討委員会では、
▽パイロットと管制官に対する注意喚起システムの強化や
▽管制に関する交信の見直しについて話し合われる予定で、
初会合の冒頭、斉藤国土交通大臣が「滑走路上の安全安心対策について、ハード、ソフト両面から議論をお願いしたい」と述べました。

その後、検討委員会は非公開で行われ、国土交通省によりますと、担当者から事故や管制業務の概要について説明を行ったあと、専門家に対し幅広く意見を求めたということです。

専門家からは、現在、目視や口頭で行っている空港の管制業務について、デジタル技術の活用でヒューマンエラーを減らせるのではないかという意見が出たということです。

一方で、
▽世界的に目視や口頭で行っている中、デジタル技術の活用は、もう少し先の課題ではないかとか
▽技術は人間の判断を補完するものと考えるべきではないか
といった慎重な意見も出たということです。

また、羽田空港などでは、管制官の業務量が多く、今後、さらに離着陸の増加が見込まれるとして、その業務実態を分析する必要があるといった意見も出たということです。

今後、具体策の検討を進め、ことし夏ごろをめどに、中間の取りまとめを発表したいとしています。

20日午前6時半から すべて通常ルートで飛行

今回の事故で、滑走路脇の一部の灯火が損傷し、国土交通省は、この影響で羽田空港を着陸する航空機が都心上空を低い高度で飛ぶケースが増えるとしていました。

国土交通省によりますと、灯火の修復と確認の作業は19日夜中に終わり、20日午前6時半から、すべて事故前の通常のルートで飛行するということです。

国土交通省は「飛行ルート周辺の方にご迷惑をおかけしました。引き続き航空の安全・安心の確保に取り組みます」としています。