アドベンチャートラベル、国内でも熱 縄文杉見ない屋久島ツアーも

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小出大貴 構成
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 自然や異文化をアクティビティーを通じて体感する「アドベンチャートラベル(AT)」。欧米豪で定着した旅のスタイルだが、九州でもその取り組みが始まっている。9月には国際商談イベントが北海道で予定され、観光業界の熱が高まっている。(小出大貴)

 「世界中の旅行業者に、九州をがんがん売り込んできます」

 こう話すのは九州観光機構の花田政年さん(58)。JTBから出向している。前のめりなのは、あるイベントを間近に控え、今年が日本の「AT元年」になると期待しているからだ。

 ATは「アクティビティー」「自然」「異文化体験」の3要素のうち、二つ以上で構成される旅行とされる。1980年代のニュージーランドで生まれた。

 中心となる業界団体が米国に本拠地を置く「ATTA(アドベンチャー・トラベル・トレード・アソシエーション)」だ。90年設立で、北南米、欧州を中心に約100カ国の旅行会社やツアーガイド、メディア、政府観光局など1400の組織などが加盟する。

 この9月、ATTAの会員が一堂に会する商談イベントがアジアでは初めて、北海道で開かれる。国内各地の観光事業者が注目する「ATWS(アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット)」だ。

 観光業者にとってのATの魅力は、客単価が高いことだ。ATの主な客層は欧米豪の高学歴・高収入者。ATTAが顧客にとったアンケートでは旅の目的に「自分自身の変化」「視野を広げる」「学ぶ」ことをあげる。そのためにはお金を惜しまず、客単価は平均の約2倍とされる。

 花田さんはATWSに向け、九州各地をまわり、13のツアーを企画した。ATTAの関係者にもアドバイスを求めた。

 「最初はダメ出しだらけだった。有名な観光地を脈絡なくまわるツアーからの発想の転換を求められた」と話す。

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