在留資格「特定技能2号」拡大 期待寄せる航空分野の外国人

熟練技能を持つ外国人に与えられる在留資格で、事実上、無期限に滞在できる「特定技能2号」の業種を大幅に拡大する政府の方針が閣議決定され、新たに対象の業種に加えられた「航空分野」で働く海外出身の男性は、将来の永住や家族の呼び寄せに大きな期待を寄せています。

成田空港で航空機への荷物の積み降ろしなどを行う「グランドハンドリング」の仕事をしている、フィジー出身のアナケレト・タヴァケデさん(21)は、母国で1年以上かけて簡単な日本語や航空に関する知識を身に付け、この春、来日し働き始めました。
今は、先輩社員に教わりながら仕事を覚えている最中で、アナケレトさんは「荷物を丁寧に扱い、お客様に満足してもらえるようにする日本の働き方は簡単ではありませんが、同僚たちがサポートしてくれます。まずは一人前に働けるようになりたい」と話しています。
航空分野の仕事は、現在、在留期間が最大5年で家族の帯同は基本的に認められない「特定技能1号」の対象で、アナケレトさんはできるだけ長く日本で技術を学び、妻と2歳の息子も呼び寄せて一緒に暮らしたいと考えていますが、かなわないのが現状です。
航空分野が「2号」の対象に拡大されることについて、アナケレトさんは「私だけでなく日本で働く外国人にとって大きなチャンスだと思います。仕事が終わると毎日、家族と2時間ほどビデオ通話をしていますが、会えないのはさみしいです。父親として息子が成長する姿をそばで見て一緒に育てたいと思っています。日本に永住することができるなら、そうしたいと思っています」と話していました。
これについて、外国人の労働問題に詳しい日本国際交流センターの毛受敏浩執行理事は「外国人が働かないと、日本社会が回らない時代にすでになっている」と指摘したうえで、「2号の拡大の閣議決定は、歓迎すべきことだ。そのうえで、雇用する企業側には外国人を一時的な労働力ではなく昇進なども含めてどう育成していくか、これまで以上に対応が求められる。また、日本語教室の充実など自治体を含めた地域全体で、ともに暮らす住民として受け入れる態勢を整えていく必要がある」と話しています。