弘前のホテルニューキャッスル、9日で廃業 コロナ禍で資金繰り悪化

古庄暢
[PR]

 青森県弘前市の「ホテルニューキャッスル」は3日、設備の老朽化やコロナ禍に伴う利用者減で経営が悪化したため、青森地裁弘前支部に破産手続きを申し立て、3月31日付で開始決定を受けたことを明らかにした。負債総額は約7億8千万円になる見込みで、9日に営業を終える。

 ホテルは1978年開業。弘前公園を訪れる観光客や冠婚葬祭で利用する市民に親しまれてきたが、収益の柱だった宴会やブライダル部門の売り上げが低迷し、2018年から赤字が続いていた。コロナ禍が追い打ちをかけ、ここ数年の売上高は、ピーク時の約4分の1の4億円程度に落ち込んでいたという。

 当初、5月の大型連休明けまで宿泊予約を受け付けていたが、9日以降の予約分は断り、近隣の旅館やホテルへの振り替えを進めているという。従業員約80人も10日付で解雇する方針で、他の宿泊事業者などに再雇用を呼びかけている。

 3日に会見した土田剛社長は「資金繰りが厳しく、適正なサービスが維持できなくなった。長く支えて下さった市民、宿泊客のみなさまに申し訳ない思いでいっぱいです」と語った。(古庄暢)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら