HIS、一時5%高 旅行事業の収益改善を好感
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16日の東京株式市場でエイチ・アイ・エス(HIS)株が一時前日比94円(5%)高の2032円まで上昇した。15日の取引終了後に発表した2022年11月〜23年1月期の連結決算は最終損益が35億円の赤字(前年同期は92億円の赤字)だった。赤字幅の縮小を好感し、寄り付き直後に高値をつけた。
背景にあるのは、売上高の7割を占める旅行事業の回復だ。22年10月から始まった「全国旅行支援」が追い風となり、国内旅行取扱高は新型コロナウイルス禍前の18年11月〜19年1月期比で13%増と復調をみせた。SMBC日興証券の織田浩史氏は15日付のリポートで「回復基調が確認できたのは良かった」と評価した。
とはいえ、赤字が解消されたわけではない。自己資本比率は11%と同業のKNT-CTホールディングス(24%)と比べ低い。しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹氏は資本の蓄積に課題を残すとして「本格回復までは道半ば」と指摘する。
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