キャピタルA、3年半ぶり最終黒字 22年10〜12月
【シンガポール=中野貴司】マレーシアの格安航空会社(LCC)大手、キャピタルA(旧エアアジア・グループ)が28日発表した2022年10〜12月期決算は、純利益が2億5600万リンギ(約77億円)だった。四半期ベースで最終利益が黒字となるのは、新型コロナウイルス感染拡大前の19年4〜6月期以来、3年半ぶりとなる。
中国の「ゼロコロナ」政策終了で、今後は東南アジアを訪れる中国人観光客が再び増える見通しで、業績の回復基調が当面続くとみられる。
22年10〜12月期は旅客数が前年同期比で2.9倍に増えたことで、売上高も2.9倍の23億7千万リンギとなった。旅客数は新型コロナウイルス感染拡大前と比べ、国内線で75%、国際線で49%の水準まで回復した。トニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は28日の声明で「中国の国境開放がさらなる業績改善を後押しする。23年末までに座席供給量をコロナ前の水準に戻したい」と述べた。
ただ、コロナ下で大幅赤字が長期間続いたことで、財務は悪化している。債務超過額は22年12月末時点で94億リンギに上る。キャピタルAは現在、再建計画を策定中で、年央までに計画を公表し、投資家からの信頼を回復したい考えだ。
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