藤田観光、会員制リゾート事業を投資ファンドに売却
藤田観光は22日、会員制リゾート事業の「ウィスタリアンライフクラブ」を投資ファンドのアドミラルキャピタル(東京・千代田)に売却すると発表した。減損損失として、約19億円を2022年12月期の特別損失に計上する。
会員制リゾート事業を新設会社に承継させ、アドミラルキャピタルが設立する新会社に譲渡する。譲渡は23年3月1日を予定する。藤田観光は1979年に会員制リゾート事業に参入し、箱根や熱海など7施設を展開している。売却後の「施設利用などの条件に関しては、現時点で変更はない」という。
実質的な運営や施設の管理を担う藤田グリーン・サービス(東京・文京)の全株式も売却する。同社の21年12月期の売上高は11億円で、営業利益が3800万円。純資産は期末時点で4億9200万円だった。
藤田観光は23年7月に新装開業を予定する大規模投資案件「箱根ホテル小涌園」をリゾート事業の成長の中核に据える。政府の観光喚起策と水際対策の緩和もあり、都市型ホテルの「ワシントンホテル」や高価格帯の「ホテル椿山荘東京」なども稼働率が回復しつつある。
一方、22年12月期の連結営業損益は60億円の赤字(前期は158億円の赤字)の見通しで、事業の選択と集中を進める。特別損失の計上が通期の見通しに与える影響について、「基準に触れる場合は開示する」とした。