中国、全数把握を断念 「ゼロコロナ」事実上撤回

習近平国家主席(ロイター=共同)
習近平国家主席(ロイター=共同)

【北京=三塚聖平】中国政府は14日、毎日行っている新型コロナウイルスの新規感染者数の発表で、無症状の感染者数の公表を同日からやめると発表した。「多数の無症状感染者がPCR検査を受けておらず、正確に実際の数を把握することができない」ためだとしており、急増する感染者数の把握を諦めた形だ。感染拡大を徹底的に食い止める「ゼロコロナ」政策は事実上の撤回となった。

習近平政権が掲げたゼロコロナ政策の下、当局は大規模なPCR検査で感染者を把握し、集中隔離など強権的な制限措置によって感染拡大に歯止めを掛けてきた。政府は7日、無症状や軽症者に自宅隔離を容認するなど防疫措置の大幅緩和を発表し、13日には市民の旅行履歴を確認するため全土で使われていた携帯電話のアプリ稼働も停止した。

政府が13日に発表した12日の新規感染者数は、空港での検疫による確認などを除き7451人で、そのうち無症状者は5181人。多くの人が自宅での抗原検査に切り替えているため公式統計はほぼ無意味になり、公表感染者数はピークだった11月下旬の約4万人から減少が続いている。

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