空港でのデジタル認証を加速、書類チェックをゼロに、国際航空運送協会が顧客体験向上への取組み加速、「One ID」の活用で

国際航空運送協会 (IATA) は、カスタマーエクスペリエンスの向上と新たな価値創造を目的に、「モダン・エアライン・リテーリング」プログラムを立ち上げた。これは、IATAが進める「One ID」を活用し、航空会社の流通を一般の小売業の仕組みのように転換するもの。航空業界におけるOneIDとは、パスポート・搭乗券・顔データなどの生体情報を紐づけた認証用のデータのことだ。

プログラム推進にあたっては、アメリカン航空、エールフランス-KLM、ブリティッシュウェイズ、エミレーツ航空、フィンエアー、イベリア航空、ルフトハンザグループ、オマーン航空、シンガポール航空、厦門航空がコンソーシアムを形成した。

同プログラムの柱は3つ。IATAが進める「One ID」を利用することで、航空会社はさまざまなチャネルやタッチポイントで顧客にシームレスな体験を提供することができるようになる。

また、現在IATAが加速させているNDC流通において、パーソナライゼーション、インターモーダルなどのコンテンツとの組み合わせ、デジタル決済オプションを提供。旅行者は、航空会社からの直販だけでなく、旅行代理店からの購入でもより幅広い選択が可能になる。

これらを利用すると、旅行者は、旅行の中断や旅程の変更の場合、異なる参照番号やドキュメント (PNR、eチケット、その他の電子ドキュメント)を持つ必要がなくなる。これはすでに「ONE Order」プロジェクトの一部として開発されている。

空港でのデジタル認証を加速、書類チェックをゼロに

また、IATAは、「One ID」プログラムのもと、航空会社との協力で空港での非接触生体認証プロセスを加速させる。現在、さまざまな空港で搭乗券と生体認証情報がリンクされ、ペーパーレスの搭乗が可能になっているものの、多くの空港では依然として紙ドキュメントによる物理的チェックが行われている。

IATAが進める「デジタル認証」の標準化では、One IDにおいて、乗客が旅行前に政府から必要なすべての旅行前承認をデジタルで直接取得し、受け取った「OK to Fly」ステータスを航空会社と共有することで、空港でのすべての書類チェックをなくすことを目指す。

将来的には、航空会社のアプリでの認証済みIDの作成、デジタルIDによって必要な渡航情報を目的地に送信、アプリでの「デジタル認証」の取得、航空会社との個人情報共有(必要なデータのみ)、航空会社からの搭乗確認の取得などが可能になる。

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