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大阪府知事、IR事業は中国不在でも「十分成立」-韓国や台湾から集客

  • IR誘致目指す大阪、住民の反発や新型コロナ感染拡大で計画が難航
  • IR整備計画は「年内に認可される可能性が高い」と吉村知事

大阪府の吉村洋文知事は、大阪府と大阪市が誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)について、中国政府の新型コロナウイルス対策で同国からの訪日観光客が減少する中、韓国や台湾、東南アジアからの集客を目指す考えを示した。

  吉村知事は、中国からのインバウンド(訪日客)が多かったプロジェクト初期の段階と状況が変わっていることに関して、「例えば韓国であったり、台湾であったり、東南アジアから、大阪を訪れる方も非常に多くいる。中国からのインバウンドがなくとも、このビジネスというのは十分成り立つ」との見方を示した。ロンドンで6日に行われたブルームバーグニュースとのインタビューで語った。 

  IR誘致を目指す大阪では、規制や賭博に対する住民の反発に加え、1年余りにわたり観光業に大きな打撃を与えた新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の影響で計画が難航している。

  中国は7日、新型コロナの感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を大きく転換し、長く堅持してきたさまざまな制限を緩和した。これにより訪日中国人観光客の流れが今後本格的に回復する可能性がある。

Picking Up From Bottom

Japan-bound visitors climb after border reopening

Source: Japan National Tourism Organization

(September, October 2022 figures are preliminary)

  日本ではカジノを含めた統合型リゾートの整備を政府に促す法律(IR推進法)が2016年に成立。MGMリゾーツ・インターナショナルやラスベガス・サンズなどの企業は、マカオに次ぎアジア2位の規模のカジノ市場となり得る日本市場への参入に向け多額の資金を投じている。

  大阪はカジノ誘致で先頭を走るものの、現段階でIRの建設は行われておらず、200億ドル(約2兆7400億円)とも見込まれている日本のカジノ市場の潜在性に懐疑的な見方も出ている。少なくとも1社が日本でのIRライセンス取得に向けた活動を中止し、メディアの世論調査では住民がカジノ誘致を望んでいないことが示されている。

  大阪府と大阪市は昨年、IRの設置運営事業予定者にMGMとオリックスの共同グループを選定。25年の国際博覧会(大阪・関西万博)開催に合わせ、IRで集客を図りたい考えだ。吉村知事は国に認定を申請しているIR整備計画について、「年内に認可される可能性が高い」との見方を示した。

  新型コロナの水際対策が10月に大幅に緩和され、入国者数上限などが撤廃されたことに伴い、訪日外国人観光客が増えている。政府観光局が先月発表した10月の訪日外客数(推計値)は49万8600人と、前月比で2倍余りとなり、昨年の月平均と比べると約24倍だった。

原題:Osaka Looks Beyond China as It Plans for Its Casino Debut(抜粋)

 

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