超小型EVで神戸観光、JTBが実証実験

実証実験で導入されるイタリア製小型EV「ビロ」=24日、神戸市中央区(田村慶子撮影)
実証実験で導入されるイタリア製小型EV「ビロ」=24日、神戸市中央区(田村慶子撮影)

JTBは回遊性の向上や移動手段のエンターテインメント化を目指して、神戸観光で実証実験を12月に始める。これに先立ち、観光レンタカーとして活用する超小型のイタリア製電気自動車(EV)の「BIRO(ビロ)」を報道陣に公開した。

実証実験は、EVを使ってJRの新神戸駅から旧居留地、南京町、らせん橋「ビーナスブリッジ」などを、先導車両に付き1時間半と2時間のコースで巡る。EVは先導用も含めて計5台導入し赤、黄、緑3種のビビッドカラーとかわいいデザインが個性的。料金は1人乗りが4千円、2人乗り用が6千円で、利用には普通自動車免許か国際運転免許証が必要となる。

市中心部は近年、新たな観光スポットも増え、三宮駅前の再開発も進んでいるが、南北に坂が多く周遊観光バス「シティーループ」や市営バス以外の交通手段が少ない課題がある。JTBの担当者は「回遊性を高めるのはもちろんだが、何といっても売りは見た目のおしゃれさ。乗って走ること自体が観光コンテンツになり、神戸へ来る目的になる」と期待する。主要ターゲットは20、30代の女性やカップルだが、排ガスを出さず環境に優しい旅を求めるインバウンド(訪日外国人客)の利用も見込んでいる。

実証実験は12月9~25日の金・土・日曜計9日間実施する。行程を限定し先導車両が必ず付くが、実用化後は市内を自由に観光してもらうことを想定している。同社は来年も、安全面での課題を解消したうえで先導車なしで時間貸しする実証実験を重ねて行う予定で、2年後の実用化を目指すとしている。

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