カタール新名所は船上にそびえ立つ「豪華マンション」…レストラン13か所、劇場も完備

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 デジタル特派員コラム「カタールで語~ル」は、中東で初開催となるサッカーのワールドカップ(W杯)を取材する深井千弘記者が、現地のさまざまな表情、大会の熱気をリポートします。

26年サッカーW杯ロゴお披露目、初めてトロフィーの画像使われる…北中米3か国共催

 アラビア半島からペルシャ湾へ突き出すカタールは、国土の大半が海に囲まれた半島の国です。半島の東岸に位置する首都ドーハは港町でもあります。海沿いに出るとまず目に飛び込んでくるのが、林立する高層ビル群。辺りを見回し、もう一つ気付くのが、遠目にもそれと分かる巨大なクルーズ船です。

とても水に浮かんでいるとは思えない、巨大クルーズ船の威容
とても水に浮かんでいるとは思えない、巨大クルーズ船の威容

 実はこれ、W杯期間中に宿泊施設として利用されている「ホテルシップ」。コロナ禍の影響で無観客開催となった昨夏の東京五輪でも、当初は宿泊施設数の不足を補う目的で導入が予定されていました。現在、ドーハ港に停泊しているのは、スイスに本社を置くクルーズ船運航会社「MSCクルーズ」の大型客船「MSCワールドエウローパ」と「MSCポエジア」の2隻。このうち、ワールドエウローパは建造から間もない新型客船です。

 岸壁から見ると、まさに見上げるほどの大きさ。10階建てほどのマンションが船上にそびえ立つイメージです。同社からは詳細を明らかにできないとのことでしたが、大会組織委員会によると、船内にはレストランが13か所あり、プールやスパ、ヘアサロン、スポーツジムも完備。イベントに使える劇場スペースもあるそうです。岸壁に張られた規制線の手前で安全管理に当たる警備員は「乗客は6500人ぐらい収容可能だと聞いている。ナイトクラブやバーなどもあって、中で働いている従業員の数もものすごいらしい」と教えてくれました。

岸壁で記念写真を撮る人たちも多い
岸壁で記念写真を撮る人たちも多い

 ドーハでは街中でマスクをしている人はほとんど見かけませんが、日本では日本医師会が、コロナ感染拡大について「第8波に入った」との認識を示すなど新規感染者が増えていると聞きます。クルーズ船といえば、日本で起きた集団感染のニュースを連想してしまいますが、こちらでは何事もないようにと祈るばかりです。

 目を見張るばかりの豪華客船は、宿泊客のみならず、ドーハに住む人たちにとっても関心の的です。夕暮れ時、岸壁では記念撮影をする人たちが次々に訪れます。2年前からドーハのホテルでシェフとして働くケニア出身のエバンスさん(27)は船を見ようと1人でやってきました。「(クルーズ船を運航する)この会社で2月から働いている友達がいて、仕事も給料もいいって聞いている。いつか、この船のレストランでシェフをやってみたいと思っているんだ」

 ドーハにある五つ星ホテルで働いているというバングラデシュ出身のムハンマド・アブドゥル・カレックさん(25)は、従業員仲間4人と連れ立って来ました。港を挟んで対岸に立つ勤務先のホテルからクルーズ船が見え、気になっていたそうです。「フェイスブックや(動画共有アプリの)TikTok、ニュースでもよく見るからね」

 どんな思いでこの船を眺めているのか知りたくて、ちょっと質問してみました。いつか乗客として、この船に乗ってみたいですか――。「そりゃ、不可能だよ。俺はインドに住んで、ダンスをしてるさ」。即答して大笑いしました。

 コンパクトなツインルームで1泊1240カタールリヤル(約4万7000円)から。これは相当、奮発する覚悟が必要かもしれません。

  深井千弘(ふかい・ゆきひろ) 読売新聞東京本社デジタル編集部記者。ワールドカップの取材は2002年日韓大会以来。20年前は日本代表がロシア代表からW杯初勝利を挙げた試合で、スタンドの高揚感に触れた。中東は初体験。暑さ、寒さはわりと平気なタイプ。

サッカー女子ワールドカップ特集ページはこちら
スクラップは会員限定です

使い方
「スポーツ」の最新記事一覧
記事に関する報告
3533407 0 サッカーワールドカップ 2022/11/18 07:00:00 2022/11/23 12:12:19 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/11/20221117-OYT1I50140-T.jpg?type=thumbnail
読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)