Hospitality Insightsによると、旅行作家であり旅行の専門家であるDoug Lansky氏がこのほどResort and Residential Hospitality Forum 2022の基調講演を担当し、ホテルのサービスを常識にとらわれない方法で革新するためのアイディアや実際の事例を披露した。

例えば事前チェックインはある調査で76%の旅行者が歓迎しており、41%は事前チェックインが可能なホテルをあえて選択すると回答しているといい、同氏が感銘を受けた例として「お迎えできるのを楽しみにしています。こちらのリンクからチェックインが可能です。鍵を用意してお待ちしております。お部屋に着かれましたらウェルカムドリンクのご希望をお知らせください」と美しくデザインされたメールを紹介したとのこと。

一方、携帯端末を鍵として使用できるモバイルキーについては、ビジネスホテルなどでは有効である一方、リゾートなどではベルパーソンが荷物を運びながら部屋までの道中でアップセルする機会を失うため「最悪のアイディア」だと断定。

このほか、館内だけでなく周辺の施設や店舗でも部屋付けを可能にしたり、チェックアウト日に客室が必要になるまで追加料金なしで滞在できるようにしたりする案も紹介。後者では、滞在時間が延びた宿泊客が追加でホテルサービスを購入することで3.7万ドルの利益をもたらしたという。

さらに、チェックイン時にスタッフが名前と電話番号を知らせて「私があなたのパーソナルコンシェルジュを務めます。連絡はWhatsappでも結構です。不在の場合は同僚が対応します」と案内された例や、ドッグフレンドリーなホテルが宿泊客へのメールを犬宛に書いたところ宿泊客も犬の代わりにメールを返すようになり、コミュニケーションの楽しさから評価が大幅に上昇した事例も紹介したという。