【10月17日 東方新報】昨年9月20日に中国・北京でオープンしたユニバーサル・北京・リゾート(Universal Beijing Resort)が1周年を迎えた。ユニバ-サル・スタジオ・北京(Universal Studios BeijingUSB)を中心にホテルとショッピングセンターを備え、年間1360万人の観光客が訪れた。8万5000人が同リゾートで自らの誕生日を祝い、多くのカップルがプロポーズを行う「聖地」となっている。

 ユニバーサル・スタジオ・北京は、米国のロサンゼルスとフロリダ、大阪、シンガポールに続いてユニバーサル・スタジオの名を冠した5か所目の施設。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(Universal Studio Japan)の2倍の規模で、七つのエリアに37のアトラクションを擁する。入場料金は時期によって4段階に分かれて418~748元(約8589〜1万5370円)。

「ハリー・ポッター(Harry Potter)」エリアでは、作品の舞台であるホグワーツ城やホグズミード村の世界が広がり、多くの入場者がローブをまとい魔法の杖(つえ)を持って記念写真を撮っている。「ジュラシック・ワールド(Jurassic World)」エリアは、ジュラ紀の世界に飛び込んで恐竜に追いかけられるスリリングなアトラクションが人気だ。「トランスフォーマー(Transformers)」の絶叫ジェットコースターは1年間で9万7000キロ走行。赤道を2周半近く走った計算だ。

 1年間で各種パフォーマンスやショーが6万8000回公演され、ハリポタエリアでは話題の「バタービール」が100万杯以上、「ミニオンズ(Minions)」エリアのアイスクリームも100万本以上の売り上げを記録した。中国発祥の十二支とミニオンズを組み合わせたTシャツやバッグなど、1年間で3400種のグッズが販売されている。

 予約プラットフォーム「同程旅行(LY.COM)」によると、入場者は1980~90年代が70%近く、2000年代が18%を占める。最年長の入場者は96歳という。コロナ禍が広がった5月1日から2か月近く休園を余儀なくされ、再開後も入場制限や営業時間の短縮が続いたが、年間を通して爆発的な人気が続いた。周辺5キロ圏内の宿泊施設は開園前の100か所未満から現在は500か所近くに増えた。

 ディズニーランド(Disney Land)のある上海や香港と比べて、北京は国際的テーマパークの「空白地帯」だった。また、ユニバーサル・北京・リゾートが建設された北京市の副都心・通州区(Tongzhou)は、市中心部の人口過密を緩和するため一部の行政機能を移転した地域だが、大型観光施設の空白地帯だった。ユニバーサル・北京・リゾートは二つの「空白」を埋める役割を果たしたといえる。(c)東方新報/AFPBB News