ハウステンボス PAG傘下で新スタート 大型投資、成長戦略に注目

記念写真スポットに立つ来園者を撮影してもてなす坂口社長(左)=30日、佐世保市のハウステンボス

 長崎県佐世保市のリゾート施設「ハウステンボス(HTB)」は30日、香港を拠点にする投資会社PAGの下で新しいスタートを切った。PAGはアトラクションの導入やイベント投資などでテーマパーク事業を拡大する方針を示している。
 旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が、保有するHTBの全株式を同日、PAGに売却。HTBの株式を保有する九州電力など九州財界5社も同日、全株式をHTBに売却した。HISと九州財界5社の売却額は総額約1千億円。
 HTBは1992年に開業。2010年にHISが20億円を出資して経営再建に乗り出した。HIS傘下で赤字体質からの脱却を遂げ、10期連続で黒字化を達成した。しかし、HISは新型コロナウイルスの影響で業績が悪化し、経営改善のためにHTBの売却を決めた。
 PAGは大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の運営会社への投資実績がある。HTBを「高い成長性を有する企業」と評価しており、大型投資による今後の成長戦略が注目される。イベントなどの営業はこれまで通り継続し、雇用は維持、拡大する方針が示されている。
 坂口克彦社長はこの日も開園時、入場ゲートに立ち手を振りながら笑顔で来園者を歓迎した。今後について「社員や取引先、地域住民には期待してくださいと話している。かなり成長できると思う」と話した。


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