全国旅行支援12月下旬まで 最大1万1千円 県民割も延長

記者会見する斉藤国交相=26日午前、国交省
記者会見する斉藤国交相=26日午前、国交省

観光庁は26日、開始が延期されていた全国を対象とする観光支援策「全国旅行支援」を10月11日から12月下旬まで実施すると発表した。都道府県を通じた従来の「県民割」を事実上拡大した支援策で、旅行代金割引と旅先の飲食や買い物などに使えるクーポンを合わせて1人1泊当たり最大1万1千円支援する。10月11日には新型コロナウイルスの水際対策も緩和され、訪日外国人観光客の誘致と合わせて両輪で需要喚起を図りたい考えだ。

観光庁によると、12月下旬以降の実施の可否については、感染状況や需要動向などを踏まえて検討するという。既に予約済みでも実施期間内の日程であれば支援対象とする方針。また、県民割に対する国の財政支援は9月末までだったが、全国旅行支援が始まる前日の10月10日まで延長する。

全国旅行支援は、県内や隣県、地方ブロックへの旅行を割引する県民割と異なり、どこへ行っても居住地にかかわらず割引を受けられる。旅行代金の割引率は40%。1人1泊当たり公共交通機関を利用した交通費込みの旅行商品は8千円、それ以外は5千円を割引の上限額とする。クーポン券は、週末の混雑抑制のため平日は3千円、休日は千円としている。実施や中止、再開は感染状況に応じて都道府県ごとに判断する。

当初は7月上旬から実施予定だったが、感染の急拡大で延期されていた。

また、全国旅行支援の開始に合わせ、平日の旅行需要を喚起する「平日にもう一泊」キャンペーンも始める。平日向けの旅行商品の情報を集約し、特設サイト上で一元的に発信。平日であれば土日をまたいでも日帰りでも対象とする。

一方、政府は10月11日から個人旅行やビザなし渡航の解禁など水際対策も大幅に緩和。斉藤鉄夫国土交通相はこの日の閣議後記者会見で「円安のメリットを生かしつつ、国際観光事業のさらなる回復につながることを期待している」とし、受け入れ体制の整備など対応を進める考えを示した。

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