西九州新幹線23日開業、長崎駅などで大詰めの準備
西九州新幹線の武雄温泉(佐賀県武雄市)―長崎(長崎市)間が23日開業する。長崎と博多(福岡市)の所要時間は約30分短縮され、最速約1時間20分になる。22日は各駅などで開業に向けた最終準備が進められた。地元では観光客をはじめ多くの乗客が利用し、地域活性化などにつなげることを目指す。
開業を翌日に控えたJR長崎駅では、開業式典会場の設営や構内の清掃などの作業に取り組んだ。23日未明には最終列車の運行後、ダイヤ改正に伴う時刻表の張り替えを予定しており、駅職員らはその準備にも取りかかっていた。
同駅では開業に合わせて、観光客の受け入れを強化するため構内の長崎市総合観光案内所もリニューアルする。広さが200平方メートルと従来の8倍に拡張し、観光や交通の情報提供に加え、旅行商品の紹介、バス・路面電車の一日乗車券など各種チケットを販売する。手ぶらで観光を楽しめるよう、市内の21宿泊施設に手荷物を届けるサービスも導入する。
西九州新幹線の武雄温泉―長崎間は約66キロメートルで、同区間は1日に「かもめ」を44本運行する。途中には新駅の嬉野温泉(佐賀県嬉野市)と新大村(長崎県大村市)に加え、諫早(同県諫早市)の3駅を設ける。新大阪―長崎間は最速3時間59分と、空路に対して鉄道が競争力を持つ目安とされる「4時間の壁」を切る。
一方、九州新幹線と接続する新鳥栖(佐賀県鳥栖市)―武雄温泉間は着工のめどが立っていない。新鳥栖や博多方面とのアクセスは、武雄温泉駅のホームで在来線特急の「リレーかもめ」などに乗り換える。
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