旅館業法改正案 ハンセン病元患者団体など 見直し求める意見書

旅館やホテルの宿泊客が新型コロナウイルスへの感染が疑われる場合に、マスクの着用などの対策に正当な理由がなく応じなければ施設側が宿泊を拒否できるよう、厚生労働省が法律を改正する方針を決めたことについて、ハンセン病の元患者の団体などが「感染症患者への差別や偏見を助長する」として見直しを求める意見書を提出しました。

旅館業法では、感染症にかかっていることが診断などで明らかでないかぎり、宿泊を拒否できないと定めています。

しかし新型コロナの感染拡大を受け、厚生労働省は、せきなどの症状がある宿泊客がマスクの着用や医療機関の受診などの施設からの要請に正当な理由がなく応じなかった場合も宿泊を拒否できるよう見直す方針を決め、秋の臨時国会での改正案の提出を目指しています。

これについて13日、ハンセン病の元患者の団体や集団訴訟の弁護団など4つの団体が連名で厚生労働省に意見書を提出しました。

意見書では平成15年に熊本県のホテルで、ハンセン病の元患者が宿泊を拒否された問題などをあげ、法律で宿泊を拒否できる事由が拡大すれば、感染症の患者への差別や偏見を助長するとして見直しを求めています。

厚生労働省で会見した弁護団の徳※田靖之弁護士は「感染症の患者は社会で守られるべき存在であり、迷惑な存在と位置づけ認識が逆行している今回の法改正は許されない」と話しています。

※徳は「心」の上に「ー」