香港 再びコロナ感染拡大 往来の際の隔離措置撤廃求める声も

香港では新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、経済面への影響が広がる中、中国本土などとの往来の際に義務づけられている隔離措置を撤廃するよう求める声があがっていて香港政府トップの李家超行政長官は難しいかじ取りを迫られています。

香港では、8月に入って再び感染が拡大し、一日の感染者数は9000人前後に上り、ことし3月以来の高い水準となっています。

香港政府は中国本土や外国との往来の際に隔離を義務づけているほか、5人以上の集会を禁止するなど、中国にあわせる形で厳しい対策を続けています。

このため多くの国際的な展示会が開催地をシンガポールに変更したり、旅行代理店や飲食店が廃業に追い込まれたりするなど経済面への影響が広がっています。

こうした事態を受けて、経済界をはじめ議会にあたる立法会の議員などからも政府に対して隔離措置の撤廃を求める声があがっています。

李長官自身もこの問題について話し合うため、中国本土を訪れたい意向を示していましたが、香港での感染拡大を受け、1日、オンライン形式で広東省の代表などと会談することになりました。

李長官は「会談を通じてなんらかの共通認識を得たい」と話していますが、感染を徹底的に抑え込むいわゆる「ゼロコロナ」政策を掲げる中国政府と措置の撤廃を求める地元の声との間で板挟みになり、就任から1日で2か月を迎える中、難しいかじ取りを迫られています。