鹿児島市、修学旅行客が過去最多 21年は4万5千人
鹿児島市は2021年に修学旅行で同市を訪れた人数が4万5009人となり、統計を取り始めた1986年以降で最多になったと発表した。前の年を2万4425人上回った。過去3年間、鹿児島県内で宿泊を伴う修学旅行を実施していない学校を誘致した旅行会社に補助金を交付するなど、積極的な誘致策が奏功したという。
入り込み観光客数全体では前年比0.8%減の507万1千人だった。新型コロナウイルスの感染拡大などが響き、67年の調査開始以降、過去3番目の少なさとなった。観光客数は県内客が0.4%減の267万7千人、県外客が1.3%減の239万4千人だった。
宿泊観光客数は4.1%増の216万1千人。県内客が14.5%増の73万6千人となった。県民割りなど県内での旅行補助策が下支えした。宿泊者のうち外国人客は87.7%減の8千人だった。「水際対策で外国人観光客の受け入れがほぼゼロとなったため、国内に移住している外国人やビジネス客が来たようだ」(市観光プロモーション課)という。
観光消費額は7.5%増の631億8000万円で、1人当たりの観光消費額は3600円増えて2万4100円だった。みやげ品代と飲食費が伸びているといい、「コロナ禍が長引く中で消費意欲が高まっていた上、県のみやげ品を実質割引するクーポン提供も効果があった」(同)とみられる。
市はてこ入れ策として、市内の宿泊施設で3000円分の割引を受けられるクーポンを全国の人を対象に発行するなど、複数の対策を計画しており、アフターコロナを見据えて観光客の回復に力を入れていく。