阪急阪神HDの4~6月、純利益5倍 鉄道利用が回復
阪急阪神ホールディングスが3日発表した2022年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期の5倍の168億円だった。新型コロナウイルス禍の行動制限の緩和で、鉄道利用がコロナ前の9割ほどまで回復した。旅行事業では国内ツアーの回復や宿泊療養施設の管理などコロナ関連の受託業務も好調だった。
売上高は前年同期比51%増の2289億円だった。鉄道収入は阪急電鉄、阪神電気鉄道ともに9割近くまで回復した。同社の路線は神戸や大阪など都市間輸送が主力で、利用客の回復が長距離輸送に比べ早い傾向がある。旅行では海外ツアーの落ち込みが続いているものの、自治体の旅行需要の喚起策などで、国内ツアーの収入もコロナ前と同水準まで回復した。
営業利益は5倍の244億円だった。セグメント別では前年同期は赤字だった鉄道を含む都市交通事業や旅行事業が黒字に転換した。安全に支障がない範囲で鉄道などの設備投資を先送りするなど、コロナ禍で継続しているコスト削減策も奏功した。ホテル業では稼働率が回復しているものの、赤字が続いた。
23年3月期の連結純利益は前期比63%増の350億円とする従来予想を据え置いた。鉄道や旅行事業の回復は期初の想定通りに推移しているが、感染再拡大などで不透明感が出ているという。