JR西日本 支社の組織再編360人削減

JR西日本の本社=大阪市北区
JR西日本の本社=大阪市北区

JR西日本は1日、近畿や中国地方の支社機能の集約を柱とする組織再編策を正式発表した。中国地方では、3つの支社を統合する「中国統括本部」を新たに発足させる。JR西は、人口減少に加えて新型コロナウイルスの影響による鉄道利用の減少で業績低迷が続く。令和5年度末までに総務や人事など間接部門の人員を約360人削減し、経営の合理化を進める。

近畿地方では、和歌山市と京都府福知山市にある支社機能を既存の「近畿統括本部」に統合する。岡山市や広島市、鳥取県米子市にある各支社は、広島に新設する中国統括本部に統合する。

これにともない、各支社に所属していた総務、人事など一部の間接部門の機能を各統括本部に集約する。統合の対象となる支社・統括本部の間接部門の人員は現在約1510人だが、5年度末までに約360人削減する。早期退職は行わず、定年退職と採用抑制による自然減で実現する。

人員規模の縮小により、JR西は年間約20億円規模の経費削減を見込む。同日会見したJR西の小林聡企画統括部担当部長は「鉄道運行に直接携わる部門の人数は変わらないが、経営の強靱(きょうじん)化に向け、企画、総務などの部門においては一定のスリム化を進める」と語った。同社は3年5月にも本社間接部門の約400人の削減を発表している。

JR西は新型コロナ禍の影響などで、4年3月期連結決算で2年連続の最終赤字を計上している。(黒川信雄)

会員限定記事会員サービス詳細