欧米では航空便の欠航や遅延、手荷物の紛失などの混乱が相次いでアルマゲドンならぬ「エアマゲドン」という言葉まで登場している状況だが、少なくとも欧州では改善の兆しが見えていないようだ。

THE POINTS GUYによると、KLMオランダ航空は7月21日、アムステルダム・スキポール空港の手荷物関連システムの故障により欧州域内の区間をアムステルダム経由で移動する旅程について受託手荷物の受け入れを停止。

旅客は機内持ち込み手荷物のみでの搭乗を強いられ、さらに一部では空港スタッフが勘違いのためか米国など域外への乗り継ぎも対象と案内するなど混乱に拍車をかけた。

また、Travel Weeklyによるとフランクフルト空港はヒースローに続いて運航を制限する方針。1時間あたりの離着陸を88回に減らすという。

空港による運航制限では、ヒースローが毎日の旅客数の上限を10月末まで10万人に設定したほか、ガトウィック空港も7月に1日825便、8月に850便までの制限を発表済み。アムステルダムも7月は6万7500人、8月は7万2500人を上限とした。ちなみに、カタール航空のCEOは英国でのトラブルについてEUからの脱退がスタッフ確保を難しくしていると指摘している。

こうしたなかで、混乱緩和に向けた取り組みを始める航空会社もあり、英イージージェットでは採用強化やカスタマーサービスの営業時間延長などに加え、欧州内3空港限定ながら搭乗予定日の前の晩に手荷物を預けられるサービスも開始したという。

なお、INSIDERは混乱が続くなかで「空港職員が教えるロストバゲージ回避のための注意点」を紹介する記事を公開。

紹介されたのは「荷物に付いている古いタグを外す」「重くしすぎない(ベルトの途中などで引っかかり誤った方向に向かう可能性)」「変わった形の荷物を預けない(難しければ収納ケースに入れるかFRAGILEで預ける)」「紐や装飾的なネームタグなど引っかかりやすいものを付けない」「ネームタグに名前と電話番号を書く」「機内持ち込みをしたいなら早く搭乗する」「貴重品は預けない」「Appleのエアタグなどで場所を追跡できるようにする」「自分でチェックインして手荷物タグを付ける場合、ハンドルに正しく付ける」の10点で、記事ではその理由も紹介されている。