新たな魅力を動画で発信 和歌山県、訪日外国人客に向け

Eバイクで興禅寺に到着した場面を撮影するスタッフ(和歌山県上富田町市ノ瀬で)

 和歌山へのインバウンド(訪日外国人客)の誘致につなげようと、和歌山県観光交流課は、田辺市と上富田町、すさみ町を舞台にした新たなプロモーション動画を作っている。海外でも関心が高まっているサイクリングと絡めて、各市町の体験プログラムを紹介する内容となっている。

 コロナ後の外国人観光客の回復を見据えた取り組み。外国人に比較的知名度の高い高野山や熊野古道などのスポットだけでなく、県内の新たな魅力を広く知ってもらうため、今回新しく動画を作ることにした。

 映像の制作は、外国人向けの情報発信やカスタマイズツアー(客の希望に合わせた旅行)の提供などを手がける会社「Japan Travel(ジャパントラベル)」(東京都)に委託。撮影には田辺市の秋津野ガルテンや、上富田町のサイクルステーション「KMICH(クミッチ)」と地域おこし団体「Daruma CLUB(ダルマ クラブ)」、すさみ町観光案内所などが協力した。

 プロモーション動画は、外国人の男女2人がEバイク(電動アシスト付き自転車)で各市町を巡り、現地でさまざまな体験プログラムに参加するという内容。14日には、上富田町生馬の救馬渓観音で祈祷(きとう)を体験した後、同町市ノ瀬の興禅寺(だるま寺)では座禅や写経などにも取り組み、その様子を撮影した。

 このほか、田辺市ではミカン狩りやパフェ作り、すさみ町では地元の農作物の収穫を体験した。

 県観光交流課主事の深野祐樹さん(26)は「外国人の受け入れ態勢が整っていて、豊富な観光資源のある田辺市と上富田町、すさみ町で今回は動画を撮影した。出来上がった動画を活用し、海外に向けて県の魅力を発信していきたい」と話している。

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