伊丹シティホテル営業終了へ、長年球児の宿舎 市「引き受け手探す」

中塚久美子
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 兵庫県伊丹市の「伊丹シティホテル」(客室114)が、経営難のため来年3月末で営業を終了する方針を決めたことが13日分かった。開業を呼びかけ出資もしている市が、継続事業者を探す。同ホテルは、夏の高校野球で長年、埼玉と三重両県の代表校の宿舎となってきた。

 同日開かれた市議会都市企業常任委員協議会で、市が明らかにした。ホテルは1987年に開業。当時の矢埜與一(やのよいち)市長が中心となって市内の企業に声をかけ、57社と市が出資した運営会社「伊丹シティホテル株式会社」が開いた。市内で唯一、婚礼や宴会場を備えたホテルで、観光客や市民らが集う場所としてまちづくりの重要な役割を担ってきたという。

 ピーク時の91年には30億円以上の売り上げがあったが、その後婚礼や飲食などの減少に歯止めがかからなかった。昨年と一昨年の売り上げは5億円を下回り、年1億円弱の赤字決算が続いている。

 築35年を経過し、約30億円の大規模改修が必要なことやコロナ禍による影響もあり、運営会社は6月29日の株主総会で営業終了を決めた。同社の高木裕則社長は取材に「地域密着でやってた中で大変申し訳ない」と話した。引き受け手が見つからない場合は、閉館もありえるという。

 1億円を出資している市側は「市内にホテルは必要だと考えており、引き受け手を探したい」としている。中塚久美子

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