トップインタビュー:ニュージーランド航空CEOのラクソン氏
日本市場への投資継続、羽田線も検討
ゴールデンルート以外の地方の魅力を訴求
-海外の航空会社が近年ニュージーランド線を開設していますが、競合他社についてどうお考えですか
ラクソン ニュージーランドは観光地としての魅力をますます増しており、FSC、LCCを問わず、米国や中国、オーストラリア、中東の航空会社が次々と市場に入ってきている。欧州のテロ事件などで世界の不安定さが増す一方、ニュージーランドは政治的にも社会的にも安定しており、今後も旅行需要は好調に推移するだろう。
日本以外では中国市場の伸びが著しく、オーストラリアや米国も好調だ。ニュージーランドに来る人々は比較的裕福な人々で、世界的な経済状況の落ち込みなどに左右されずに旅行を続ける人が多い。競合他社の影響は多少あるかもしれないが、強い需要があるため問題ない。
我々は比較的小さい航空会社だが、業績面では世界でもっともパフォーマンスの高い航空会社の1つだと思う。2016年度(15年7月~16年6月)の決算において、税引前当期純利益は前年比40%増の6億6300万ニュージーランドドルとなり、とても良い業績だった。
我々は過去15年間、ずっと収益性を高めてきており、特にここ4年間は好調だ。潤沢な資金を活かして機材や空港設備の刷新や路線開設などの投資をおこない、他社よりもさらに良い状況を作ることができている。
-今後の機材計画について教えてください
ラクソン 今後5年間で21億ニュージーランドドルを費やし、新機材を導入する計画だ。また、1億ニュージーランドドルを投じてB787-9型機の上級クラスの座席数を増やすほか、B777-300ER型機を改装し、B787-9型機で利用中の最新の座席やエンターテインメントシステムを導入する。
B787-9型機は2017年10月から受領予定の3機について、ビジネスとプレエコの席数を増やしエコノミーを減らす。これにより、座席数はビジネス18席、プレエコ21席、エコノミー263席の計302席から、ビジネス27席、プレエコ33席、エコノミー215席の計275席となる。
上級クラスを増やすのは、各市場の変化にしっかりとついていくため。例えば中国路線は、今までは団体旅行が多かったためエコノミーを多く提供してきたが、この2年間で上級クラスを求めるFITが増えた。今後、需要に合わせてフレキシブルに機材を投入するためには、こうした投資が必要だと考えている。
-ありがとうございました