ベルギー・フランダース、17年は「大幅に」予算増、旅行会社とプロモ強化
▽12日にベルギー3局の共同セミナー、王妃閣下も登壇
10月12日には同政府観光局とワロン・ブリュッセル観光局、ビジット・ブリュッセルの3観光局がセミナーを開催した。セミナーの冒頭にはベルギー王国のマチルド王妃陛下が登壇し、「観光は世界で最も急速に成長している経済分野の1つ」と観光の重要性を強調され、「両国がお互いの国を訪問し、お互いのおもてなしを体験することで、長年の友情を共に育んでいきたい」と述べられた。ブリュッセル首都圏政府首相のルディ・ヴェルヴォールト氏も「ツーリズムは友好関係を築く最良の方法」と強調した。
セミナーでは3観光局がそれぞれ各地の魅力を紹介。ウィルデ氏は「今後数年で数千万ユーロを投資し、インフラや観光サービス、フランドル派巨匠に関する文化イベントや常設展のプログラムの充実をはかる」方針を説明した。18年から20年は、毎年鍵となる画家を決めてプロモーションを展開。「フランドル派巨匠をフランダースの実際の場所で体験しようプロジェクト」として、画家の作品を最初に展示された場所などで鑑賞する企画もおこなう。
18年はルーベンスをテーマに、アントワープなどで展覧会を開催。19年はブリューゲルがテーマで、同年改装を終了して再オープンする予定のアントワープ王立美術館で、「ブリューゲルの時代」と題する展示会を開催する。20年はゲントの聖バーフ大聖堂の祭壇画「神秘の子羊」などを描いたヤン・ファン・アイクをテーマに設定。神秘の子羊は現在修復中だが、同年修復が終わる見込みだ。なお、日本市場では17年から先行してフランドル派に関するプロモーションを実施する予定。
ワロン・ブリュッセル観光評議会総裁のファブリス・ドゥレーシェル氏は、古都のリエージュや、フランスとの国境沿いにあるトゥルネー、15年の欧州文化首都であるモンスなどをアピール。ユネスコの無形遺産である、6月にモンスで開催される祭り「ドゥドゥ」などのイベントなどを紹介した。16年は自転車をテーマにプロモーションを実施してきたが、来年は「食」をテーマにする予定だ。
ビジット・ブリュッセルセールスマネージャーのアヌシカ・シュミット氏は、15年にブリュッセルを訪問した観光客数の宿泊数は650万泊で、このうち8割が外国人旅行者の宿泊だったことを説明。2020年には1000万泊をめざすとした。同氏は「グラン・プラス」広場やベルギー王立美術館、マグリット美術館などの観光スポットや、5月のアイリスフェスティバル、8月のフラワーカーペットなどのイベントをアピール。20年には新たに近現代美術館が開業する予定であることも明かした。
このほか、セミナーでは全日空(NH)執行役員の菅谷とも子氏が成田/ブリュッセル線について説明。ロードファクターは就航直後の昨年10月は96.5%だったが、パリでテロが発生した1月は55.7%に減少。その後は徐々に回復していたが、ブリュッセルのテロ事件で4月は56.2%まで落ち込んだ。ただし、4月を底にレジャーが回復基調にあることから「8月は82.0%まで戻った」と話した。