九州、ふっこう割で150万人泊獲得めざす-EXPOでセミナー

  • 2016年10月3日

▽復興を「見せる」観光を訴求、1周年事業も検討

ツーリズムEXPOの会場では特別企画「レゴブロックで応援 熊本城」を展示。4月の九州地震で被災した熊本城への募金をおこなった  村岡氏はふっこう割について「終われば旅行者数は減少するだろう」と述べた上で、「だからこそ、2万円の商品を1万円で買った旅行者に『これは2万円の価値がある』と満足していただけるおもてなしをしなければならない」と強調。ふっこう割を機に、リピーターの獲得をはかる意欲を示した。

 復興に向けた今後の活動については、風評被害対策として復興の様子を「見せる」観光を進める考えを示し、KTPOが運営するウェブサイト「九州の今」では、地震以降に撮影した九州各地の写真を掲載していることを紹介。完全な修復には20年かかると言われている熊本城についても、修復過程を観光素材の1つとしてアピールする。村岡氏は参加者に向けて「旅行会社でも是非、修復の過程を商品化につなげてほしい」と呼びかけた。

 そのほかには、来年4月の復興1周年に向けて、さまざまなイベントやキャンペーンの実施を検討していることを説明し、「熊本や九州全体が注目を浴びる時期であり。旅行・観光業界にとっては大きなチャンス」と述べた。「具体案はまだできていないが、九州7県や国の力も借りつつ、熊本城と阿蘇山でイベントなどを開催したい」という。

 観光庁がこのほど発表した宿泊旅行統計調査によると、地震発生後の九州地方の延べ宿泊数は、5月は18.4%減、6月は7.7%減となり、7月は0.6%減(速報値)まで回復している。村岡氏は、13年に策定した長期目標において掲げた16年の延べ宿泊数4566万人泊、九州から入国した訪日外国人旅行者数360万人の実現については「地震前まではそれぞれ好調に伸びていたので、下方修正をおこなわずに達成できるのでは」との見方を示した。