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宿泊施設はOTAとの協力でグローバル展開を-WIT Japan

  • 2016年7月28日

OTA経由と自社でバランス良く販売
さらなる訪日客受入には民泊も

訪日4000万人に向け地方旅館の活用を

アゴーラ・ホスピタリティーズの浅生氏  パネルディスカッションではそのほか、急増する訪日外国人旅行者への対応についても議論をおこなった。登壇した3社の宿泊施設における外国人の宿泊比率は、アゴーラが平均55%、オークラが30%から40%程度。ヒルトンが50%から70%程度だという。

 浅生氏は「グローバルな方法でホスピタリティを見せたいが、同時に日本らしさも伝えなくてはいけない」と難しさを語った。客室や施設内の装飾などのほか、スタッフの服装や話し方、サービスの提供方法など「さまざまな場所にホスピタリティが表れる」ことから、「自身やスタッフの教育に最も時間をかけている」という。

 さらに浅生氏は「大都市のホテルでは客室が足りていないが、地方の旅館などではまだ客室が余っている」と述べ、旅館を活用する必要性を強調。全国に5万軒以上ある旅館のうち、80%以上が小さな旅館であり、訪日外国人旅行者などが簡単にリーチできる予約・販売システムが整備されていない状況を踏まえて、早急にプラットフォームの整備に取り組む必要があるとした。


「民泊サービス」を受け入れ
旅行者により豊かな体験を提供

 年内の法整備に向けて早急な検討が進められている民泊サービスについては、浅生氏が「新しい市場であり、前向きに見ている」とコメント。法整備が進み、市場が拡大すれば「客室不足の解消につながる」と期待を示した。

 また、浅生氏は、同社が掲げるビジョン「美しい日本を見て、感じてもらうこと」を説明した上で「長期滞在や日本人の暮らしを通して、日本を体験してもらうことが必要」と説明。民泊サービスはそのための1つの手段になるとの見方を示し、「旅行者が居住者と1つの部屋をシェアすることは非常にユニークで、特別な体験ができるだろう」と語った。

 ヒルトンの岩永氏は「ホテル側のビジネスにまったく影響がないかというと嘘になる」とコメント。一方で「訪日旅行者の体験の満足度を高めるためには、さまざまなものが必要になる。ホテルだけではなく民泊を通した体験も必要になってくるだろう」との考えも示した。