サービス連合、16年春闘は49組合がベア達成、13組合の増加

▽16年は「3本の柱」継続、17年度に新目標も

 16年度については、13年度から4年間の中長期的な活動目標として取り組んできた「強固な組織基盤の確立」「労働環境の整備」「社会との共生と連帯」に引き続き注力。昨年に引き続き組織強化、組織拡大、産業政策提言機能強化、労働環境向上、相互扶助、共生と連帯の6つのテーマで活動する。

 例えば組織強化では、情報発信の強化に向けて、15年10月にサービス連合の公式Facebookページを開設。公式ウェブサイトなどとともに活用する。また、同会としての見解を積極的に発表していく考えで、今年の3月には初めて、民泊サービスの在り方と、1月に発生した貸切バス転落事故を受けた再発防止策についてサービス連合の見解を発表。民泊サービスについては法制化に向け国会で審議される予定であることから「我々の政策提言実現のため、国会対策を強めていく」(長縄氏)という。

 組織拡大については、15年度と16年度の2年間で7000名の目標を設定しており、15年度は6月17日時点で890名の組織拡大を達成。目標達成には6110名の組織拡大が必要であることから、同会では組合会員に対し、さらなる取り組みの強化を求めていく。産業政策提言機能の強化では、同会が取りまとめた「観光立国実現に向けた提言」の改定に取り組む。また、今年の2月には提言の周知徹底をはかり「観光政策フォーラム」を初開催しており、来年も2月に開催する予定だ。

 16年秋闘については、16年春闘の方針を引継ぎ、労働条件の改善に注力。サービス連合が掲げる中長期的な賃金目標「35歳年収550万円」の実現に向け、着実な水準引き上げに取り組む。17年春闘は年収水準の改善、特に月例賃金の改善にこだわった要求基準の策定に取り組む予定。契約社員やパートタイマーなどの待遇改善や最低保証賃金の協定化、労働環境整備のための総実労働時間短縮などにも引き続き取り組む。

 なお、サービス連合では17年度からは新たに4年間の中期目標を設定する予定で、事務局によればすでにプロジェクトチームを発足。新たな目標策定に向けた取り組みを進めており、17年7月に開催予定の第17回定期大会で詳細を発表する。また、サービス連合の組織体制の見直しなども検討していくという。