LCC、若年男性の利用率が大幅増、5割超に-JTB総研調査

  • 2015年8月20日

▽依然として8割が「利用経験なし」、不安感根強く

成田空港の第2、第3ターミナルをつなぐ通路は約500メートル。同空港ではターミナル間の移動に10分から15分程度かかると説明している  直近の国内線LCCの利用について不便だったことでは、「搭乗口が遠かった」が44.2%で最多。次いで「予約の際の付加料金が分かりにくかった」が30.0%だった。地域別では、関東と関西では「発着空港が自宅から遠かった」など空港の立地に関する不満が多く、中部では「予約の際の付加料金が分かりにくかった」など予約に関する不満が多かった。国際線LCCについても同様の傾向が見られたという。

 国内線LCC利用時の空港までの所要時間については、成田は2時間以上3時間未満が17.6%で中部と関空よりも多く、中部は1時間未満が32.8%、関空は1時間以上2時間未満が66.0%となった。空港へのアクセス方法はバスが21.2%、電車が52.9%、自家用車が20.5%。交通費はすべての空港で1000円以上1500円未満が最多となった。

 国内線LCCの就航による旅行行動の変化については、「今までと同じ行先でもLCCを使うようになった」が32.8%、「LCC就航がきっかけで国内旅行をした」が32.7%、「旅行回数が全体的に増えた」が27.8%となり、いずれも3割近くに上った。地域別では、関東では「今までと同じ行先でもLCCを使うようになった」が35.7%と多く、関西では「LCC就航がきっかけで国内旅行をした」など、旅行の増加につながる項目が多くなった。

 一方でスクリーニング調査の段階では、12年以降に飛行機で旅行をした人の8割近くが依然として国内線LCCの利用経験がないことも明らかになった。利用経験がない理由としては「特に乗る機会がなかった」が63.5%で、次いで「なんとなく不安」が28.8%に。「なんとなく不安」は女性の割合が多く、特に60歳以上では平均を10ポイント以上上回った。

 今後のLCCの利用意向については、国内線LCCの利用経験者は「LCCのみを利用する」が10.4%、「LCCを優先的に利用する」が35.8%となり、継続的な利用が見込まれる結果となった。また、未経験者も58.4%が「利用を検討する」と回答した。目的別では「夫婦・カップルでの旅行」「1人旅」「友人・知人との観光旅行」などが多く、「夫婦・カップルでの旅行」は60歳以上の男性で過半数に達し、「友人・知人との観光旅行」は20代と30代の女性が多かった。