若手社員が語る業界の魅力、学生向けJATA業界研究セミナー

  • 2013年9月24日

配属部署とイメージとのギャップ
おもしろさを「見出す」

KNTの浅井氏

 パネルディスカッションには、近畿日本ツーリスト(KNT)営業統括本部管理部課長の浅井康行氏がモデレーターを担当。登壇したのは入社3年から6年目の5人の旅行会社若手社員たちで、それぞれ担当部署が違い、当然のことながら旅行業界を希望した動機も違う。また、会社によって業務の幅が違うのもおもしろい。そんな彼らが本音トークで「旅行業界とは」に挑むディスカッションとなった。

モデレーター
近畿日本ツーリスト(KNT)営業統括本部管理部課長の浅井康行氏
パネラー
エヌオーイー東京旅客営業本部 白澤あさみ氏(入社6年目)
KNTグローバルビジネス支店 中村潤氏(入社4年目)
JTBワールドバケーションズ東日本販売本部ミクロネシア部 大津千晶氏(入社6年目)
日新航空サービスコールセンター 田中杏奈氏(入社3年目)
日本旅行赤い風船事業部開発チーム 東日本Webデスク 吉野真理氏(入社6年目)



JTBワールドバケーションズの大津氏

 旅行会社に就職したきっかけを問われると、1人を除いた4人がもともと旅行業界を希望していたと答え、特に自身の旅行や留学など海外経験がきっかけになっているという。自身の得た海外での感動をお客様にも、というのが大きな動機になっていることがうかがえる。

 これに対して、入社前と実際に業務を開始してからのイメージのギャップを問われると、「華やかなイメージをもっていたが、地道な作業の方が多い」(大津氏)、「意外と海外との接点が少ない」(田中氏)、「実際にお客さまと接する機会が少ない」(吉野氏)といった意見が相次いだ。

 田中氏は、自身の海外留学経験から対外的な接点が多いであろう旅行会社を選んだが、配属されたコールセンターではPCの前に座り日本国内のお客とやりとりすることが多いのだという。また、旅行好きでケニアの孤児院に1ヶ月滞在し現地をじっくり見て回った吉野氏も、同じように学生たちに感動を、という動機をもって教育旅行に携わることを希望したが、企画セクションでは直接お客様と接することが少ないことを知った。

日本旅行の吉野氏

 だがイメージとのギャップを感じつつも、全員が業務上の経験を通して仕事にやりがいを見出していることも印象的。ミクロネシア方面の商品造成からパンフレット作成までこなす大津氏は、視察にでかけたグアムで自分の造成したウエディングプランを利用した顧客グループに遭遇。直接話をしたわけではないものの、「いいお式だった」といったポジティブな言葉を聞こえてきたことから、「一生に一度の機会をつくり、喜んでもらえる。この仕事に就いてよかった」と実感したという。

 また、「予約ミスなどを繰り返し顧客から大目玉を食ったものの、現地で挽回し最終的にお礼を言われた」(中村氏)、「オフィスにいながらも、悪天候でフライトキャンセルになった顧客に別ルートを提案することで無事に目的地まで運ぶことができた」(田中氏)など、顧客あっての仕事であることを認識し、感謝されたときにやりがいを感じたという声が多かった。