井手長官、東南アジア訪日ビザ緩和、夏までに-旅行会社の処分厳格化も

  • 2013年4月25日

▽旅行会社の不利益処分の厳格化、4月末にも実施へ

 また、井手氏は旅行業者の不利益処分に関する業法の一部改定についても言及。これは、トムラウシ山や万里の長城遭難事故などを踏まえ、「旅行業法第19条第1項に基づく旅行業者の不利益処分の基準について」を一部改定し、旅行会社が同様の違反を一定期間内に繰り返した場合や、旅行参加者が死亡するような重大な違反行為があった場合の処分を厳格化するもの。

 井手氏は「今までの処分基準では、悪質な違反や重大事故に関わる事案についての基準の見え方がはっきりしていない」と説明。改定により「旅行会社と利用者との関係による契約事項のような違反に比べ、旅程管理を中心とした旅行会社の安全に関わるものの違反をより厳しく対応する」考えだ。

 観光庁では4月3日から25日までパブリックコメントを募集。「旅行の安全を確保するため、緊急に対応する必要がある」との考えから、意見提出期間を30日未満とし、4月下旬には施行する予定だ。

 改定案では、「過去5年内に行政停止処分を受けていた場合」「旅行者死亡などの被害が発生、または発生が見込まれるなど重大な違反行為をおこなった場合」「複数の違反行為をおこなった場合」の3つのケースについて、行政処分前に即座に業務停止が実施できるとしている。また、この際業務停止期間は現行の規定を踏襲するが、業務停止期間を最大1.5倍に加重できるようにする計画だ。

 このほか、旅程管理不実施の場合の業務停止期間については、旅行者の安全確保のために旅程管理は重要との考え方から、現状で6日間としている業務停止期間を18日間に見直すとしている。