成田新社長の夏目氏、路線網は4000キロ圏内強化-LCCには柔軟に対応
▽LCCに柔軟に対応、「駅ナカ」経験いかした取り組みも
夏目氏は、LCCへの対応について「大きな課題の1つ」とし、「就航に対して柔軟に対応していきたい」考えを示した。LCC側から専用ターミナルの建設費が「高すぎる」との意見や、着陸料の軽減などの要望が出されているが、これに対し夏目氏は「LCC就航に協力できるよう経営を効率化し、航空会社の使用コストの低減に努めていく」とした。今後関係各位の意見を聞きながら進めていくという。
一方、森中氏は着陸料について、LCCとレガシーキャリアで差別化するのは難しいと言及。ただし、アジアの他空港との競争力をつけるためには「国と話しつつ(検討を)やっていくべき」との考えだ。空き時間の着陸料の値下げについては、IATAや各航空会社と話し合っていると述べた。
また、夏目氏はJR東日本リテールネット社長として、駅ナカビジネスの発展に貢献してきた経験がある。こうしたことから、「安全最優先である運輸交通で、公共交通ということは(同じであり)JR東日本での今までの経験がいろいろな形で活かせる」(夏目氏)と、リテール事業への取り組みにも意欲を示した。今後は「お客様第一と時代や環境の変化への対応」が重要との考えのもと、顧客のニーズの変化にいかに対応するか、関係各位の意見も聞きながら今後検討していく考えを示した。
さらに、夏目氏は成田の完全民営化について、オープンスカイの拡大やLCC就航など航空業界は激変期にあるなか「大きな変化に対応するためには経営の自主性、自由が必要」との考えを示した。同氏は旧国鉄の民営化に携わった経験もあり、そうした経験も活かしていく考え。ただし、民営化は国の航空政策に関わるため、国の検討を踏まえて準備を進めていきたいとした。